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従兄弟・西郷隆盛を自刃に追い込んだ大山巌ってどんな人?

歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第46回 ~大山巌

○行動力 40% (偏官2つ)

行動力とは、頭で考えるよりも行動で結果を出そうとする星。中でも「偏官(へんかん)」は、行動的で攻撃的な性格でセールスが得意。大胆、短気で、野性的な面も持つ。

 日露戦争において元帥陸軍大将を務め、「陸の大山、海の東郷」と称された巌。明治維新をけん引した薩摩藩ではやはり何かと戦が多く、その経験値も高い。寺田屋事件、薩英戦争、禁門の変、鳥羽・伏見の戦い、会津攻め、西南戦争…。もちろん日清戦争でも活躍し、その後の日露戦争は、日本が一等国として国際舞台のきっかけとなっており、今でも軍人としてその名を馳せる。また、ヨーロッパに視察に行き、近代式の軍事力を習得して、日本陸軍の創設、強化に大きく貢献。陸軍大学校開校の開校にも尽力した。

自立心 30% (劫財)

 自立心とは、強い精神を持ち、リーダーシップを持つ。中でも「劫財(ごうざい)」は、欲しいものはどんな手を使っても手に入れようとする強い星。人をまとめることが得意で、組織のリーダーとなれる。

大山 巌/国立国会図書館蔵

 巌は泰然自若、まさに将たる器であったと伝わる。後に首相になる桂太郎は「大山さんの偉さは下に使われた者でなければわからない」と話した。理屈屋たちがどんなに大議論を戦わせていても、巌は笑いながら「君はああせよ、こうせよ」と指示し、理屈抜きに納得させてしまう説得力があったという。

 その巌の日露戦争における統率力は、その後の陸軍の指揮官の理想像として処遇され続けた。日露戦争での勝利を確定したのが、陸軍の奉天(ほうてん)会戦、海軍の日本海海戦であると言われる。満州軍総司令部では、総参謀長・児玉源太郎大将ら幕僚たちが、連日、地図をにらみピリピリしたムードの中、攻撃開始を迎えた。銃声が総司令部に聞こえてくると、巌が作戦室にあらわれ、「児玉サァ」と呼びかけ、「ひどく大筒の音ばしちょるが、きょうは戦があるごとごわすな」と言ったという。児玉も幕僚もあっけにとられ、次いで一斉に爆笑した。それまでの重い空気が一気になごみ、一同は「よし、勝った」の感慨を得たと伝えられている。

 そのほかにもところどころで冗談を言っていたと伝わる巌だが、このおとぼけも、あえて有能な部下に能力を発揮させるための知己であっただろう。

知性 10% (印綬)

 知性は、様々な分野の知識が豊富で、論理的にものごとを捉えるのが得意。中でも「印綬」は、習得本能が強く学校の勉強がよくできるタイプ。優しく思いやりがあるが、考えすぎてしまう面を持つ、

 巌は若いころから頭がよかったらしい。6歳ごろから西郷隆盛がリーダーを務める郷中教育で学んでいたが、「真田三代記」「武田三代記」などを暗記し、皆を驚かせたという。その後、西郷隆盛から小銃購入の任務を与えられると、一文の間違いも残さなかったほどに理数的能力に優れていた。さらに、砲術を学ぶと、自ら大砲を設計した。その大砲は当時の呼び名から「弥助砲」と名付けられ、会津攻めやその後の戦でも大活躍したという。

 しかし、頭のよさが行き過ぎてか、細かすぎる面もあり、夫人・捨松に家計のミスがあると倉庫の鍵をとりあげ、困った捨松が娘を使って鍵を取り戻すこともあったという。東京の自宅にいるときは、正午になると時計をにらみ、午砲がなると、その日の風力風向、天候を加味して計算を行い、「発射が二秒遅れだったのお」と苦笑していたと伝えられる。その器の大きさから、ヌーボーとした人物のように思われるが、細心綿密な性格だったようだ。

○人脈 10% (正財)

 人脈は、気遣いができて優しく、誰とでもコミュニケーションが取れる星。そのため人脈が豊富で、人に支えられる。また、お金の星でもあり、お金に縁がある。

 日露戦争を終えて凱旋したとき、家人は巌の頭髪が真っ白になっているのを見て驚いた。次男の柏が「陣中で一番苦しかったことはなにか」と尋ねると、沈黙ののちに「そりゃ、若い幕僚に気を遣わせまいと思うて、知っておることも、気づいておることも、なんも知らん顔ばしておらなならんかったことよ」と話したという。日露戦争中には、軍の中で冗談を言い、部下にほとんどを任せ「児玉サァの言うことであればそれでよか」とめくら判を押していたイメージのある巌だが、それもこれも気遣いの末の行動だったのだろうか。

 また、「正財」は結婚の星でもあるが、後妻は会津藩山川家の捨松だった。今の時代でも薩摩と会津は犬猿の仲と聞くが、実際に銃口を向けあった者同士が結婚するとは、当時も相当に驚かれたことだろう。一目ぼれをした巌が猛烈にアプローチ、家族も説得したという。捨松は、当時には珍しく女子で米国留学に行っており、「アメリカ娘」などと陰口をたたかれたこともあったそうだが、外交を必要とされる巌にとって、英語、ドイツ語、フランス語の流暢な妻はベストパートナーだったのだろう。愛妻家で家庭的だったようで、仕事を終えると寄り道をせず、まっすぐに家族のもとに帰る習慣は生涯続いたという。芸者遊びなどを好まず、家族と過ごす時を大切にした。

○遊び心0%

 生活に遊びを自然に取り入れることができる星。巌はこの星を全く持っておらず、ストイックな性格だったのだろうか。「上のものが威張っていると部下もやりにくいだろう」とよく口にしていたようだが、現在に伝わるおおらかさは、巌自身が自分の経験などから、努力をして作り上げた姿とも言えるだろうか。

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妃萃(本名:油川さゆり)

ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。


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